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本物の昭和とニセモノの昭和
東京の山手線内でも、ふと取り残されたように田舎っぽい場所はたくさんあって、
そういう場所が大好きなのです。

最近は、下町でも、わざとらしく昔の風情を演出したような作りの建築物があって、
地図を片手に観光している人たちは、懐かしそうに見入っているんだけれども、
思わず「それって去年作った、わざわざ汚しをいれた造作なんですけど・・・」って
言いそうになるのを我慢しつつ、ほんとに古くからあるものを見てほしいなと思います。
下町の商店街は、駅前ではなく住宅街の中で、いきなり出現するところが多く、
人工的に作られた駅前商店街とはまったく違う自然な古さを残しています。
なのに、たとえば谷中銀座は、きれいなお揃いのテントを設えてしまって、
自然な商店街の雰囲気が台無しです。色も流行のモスグリーンで、
アウトレットの一角かと思ってしまいます。
この写真は谷中の上野よりにあり、ドラマなんかによく使われていいる場所ですが、
人通りも少なく自然な感じをよく残しています。谷中商店街から少し離れているのが幸いです。
このまま、いつまでも残ってくれたらうれしいなと思います。
- Date : 2013-05-09 (Thu)
- Category : 街並評論